2016年04月07日

    さて、今回は「小1の壁」のその②について書きます。

     百貨店ではランドセルの販売が始まりました。人気の色、モデルは早いうちになくなってしまうそうです。秋はイベントが続いてあっという間です、来年お子様の小学校入学を控えているご父母の方は、早め早めの準備をお勧めします。
     早めの準備は「小1の壁」についても同様です。このTOPICSがよりよい準備につながれば幸いです。それでは参りましょう

      前回の復習

       まず、前回の復習です。
       先日の”お父さんのための「小1の壁」講座 その①問題認識編”では、子どもをかかえる親にとって最も関心の高いことの1つである「子どもの安全面」にフォーカスし、「小1の壁」という問題の存在を認識しました。保育園のように完全に管理された状態ではなくなる、なのに親の帰りはいままでよりも遅くなる、ということでした。
       そして、保育園のように見てくれる組織があれば、低学年でも時短勤務をとれる制度があれば、という施設面、制度面さらには思想面での改善が望まれるところですが、当事者になったらそんなことは言ってられない目の前の問題であるとも整理しました。 

       安全面はご想像がつくと思いますし、詳しく書いてよからぬ奴に見られても困りますので、今回の”お父さんのための「小1の壁」講座 その②問題詳細編”では、安全面以外の「小1の壁」を具体的にあげていきたいと思います。それぞれの壁をイメージでき、それがご家庭にとってどれくらい強固なものであり、どう対峙していくか検討材料になれば幸いです。 

       それでは、ランダムに参りましょう。

      a.小学校という組織に関連する「壁」

       まずは、小学校という組織に関連する問題です。
       学校により程度は異なるのでしょうが、小学校というのは基本的に「母親は専業主婦である」と想定しているのではないかと思うことがあります。 

       なぜなら、親の出席が要求される学校行事の多くが平日の昼間に行われるからです。
       学校側が父親の参加を期待しているであろう運動会や父の日などのイベントは土曜日、日曜日に行われますが、それ以外はやっぱり「母親は全員専業主婦だ」と思っているんじゃないかと思うほど、基本的に平日の昼間に行われます。学校の先生のことを考えると、仕方ないとは思うのですけど。 

       ・授業参観
       ・懇談会
       ・親子懇談
       ・教育相談日
       ・家庭訪問
       ・引き取り訓練
       ・川崎市の朝「6時ルール」発動時

       保育園の時は毎日保育園の部屋まで行きましたが、小学校はそうではありません。自分が子どもの頃を思い出すと机の中やロッカーなどはカオスでした。同じ血が流れておりますし、家のおもちゃ箱を見ると想像がつきますので、何かあるときには学校に行(い)っておきたいと思ってしまいます。また、保育園の時は先生の保育日誌が毎日あったり、先生と直接お話しすることができましたが、学校の先生とはなかなかコミュニケーションの機会を持つことができません。コミュニケーションの観点からもせっかくの機会を逃したくはありません。こんな感じなので、わたし(父親)ですら1年生の時の年次休暇取得数は自分史上最多を記録しました。 

       これらの学校主導のイベントに加え、PTA関連もあります。 

       ・PTA総会
       ・役員の持ち回り
       ・各種会合
       ・朝の旗振り当番

       保育園の時は父母の多くが働いていましたので、バザーや親子で遊ぼう会などの係を受けもったとしても、打合せは土曜日だったり、その間も保育をお願いできたりしました。そして何よりも参加者である父母みんなに時間の制約があった様に思います。でも、小学校ではこれらはほとんど平日に行われます。働いている人は免除ということは普通はないのです。入学してから、一番の衝撃がPTA関連だったという方も何人もいらっしゃいます。

       そして、小学生は持ち物の用意が多いという難題があります。
       保育園は入園時にひとそろえしておいて、季節ごとにバリエーションがある程度でした。
       それが、上履き、体操着、割烹着、給食袋、習字道具、絵具、図工の道具、教科書にノートに筆箱。これに加え、学校からもらってくしゃくしゃにランドセルに入っている(入っていればまだまし)プリントを漏らさずチェックし、学校の行事参加時に伝えられる連絡事項をメモしていても、夜中に急に「明日の図工で○○使う」「明日までに雑巾縫ってもってく」...この衝撃と言ったら

       Amazonの当日配送とか、楽天のあす楽を使いこなし、コンビニや24時間スーパーもしっかりおさえてもまだ足りないことも。
       うちで困ったのは「生活科で使うフィルムケース」の準備でした。「今時、デジカメでしょ?フィルムなんて...」という言葉をぐっと飲み込み、インターネットで検索しました。入手方法はそのお店に迷惑がかかるので載せませんが、困ったら広報までご連絡ください。
       子どもが眠たくなる前にやってしまわないといけないので、毎晩毎晩の忘れ物チェックに戦々恐々です。

       小学校関連の最後に掲げたいのは、宿題です。働いている家庭に限らないと思いますが、それでも見る時間がある家庭と、少ない家庭ではやっぱり違う気がします。

       持ち物はプリントや保護者会での連絡で伝えられますが、宿題というものは基本的に本人がメモして帰ってこねばなりません。メモることすら忘れたり、メモったことを忘れたり、読めない字だったり、遊んでいるうちに忘れたり。なんとか宿題をやらせる様にしても、本人の「やった」はあてにならなかったり。親が必ず見なければなりません。夜中にこっそり見てもしかたありませんし。

       働いていない方でも大変だと思います。ましてや...
       これが小学校関連の「小1の壁」。まだまだ他にもあると思います。
       授業参観、家庭訪問、引き取り訓練、旗振り登板、6時ルール、PTA、役員持ち回り、各種会合、突発的な持ち物の準備、宿題...今回のTOPICSはお父さんのための「小1の壁講座」。私も含め世の中のお父さん方へ...これをお母さん一人でこなすのはきついです。

      小学生のお母さんはやることが爆発的に増えます。 

      b.子ども自身に関連する「壁」

       次に、子ども自身に関連する問題です。
       子どもの成長はうれしいものですが、保育園時代よりも明確な意思や考えを持つ様になったことに起因する問題があります。
       親の考えだけではだめで、子どもの意思を無視できなくなってきました。

       ・全児童対策に通わせている場合には...大きい子が怖いから、全児童対策に行きたくない(川崎市だと「わくわくプラザ」に行きたくない)
       (わくわくプラザに申し込んでいるのだが、1年生の夏休みごろからまったく行かなくなったという方もかなりの数いらっしゃると聞きます。)

       ・逆に学童保育に通わせている場合には...お友達がわくわくプラザに行っているから、学童に行きたくない。

       ・お友達と遊ぶ約束をしたから、今日はわくわくプラザに行きたくない、学童に行きたくない。

       そして、保育園に通わせていた母親がぶつかる(かもしれない)最大(かもしれない)の難関。
       ・なんで、うちのママはおうちにいないの?他の子のママはおうちにいるのに。
       「ママ、おうちにいてよ」「ママ、会社にいかないでよ」「ママ、お仕事やめてよ」攻撃。

       保育園時代には、ある程度親の考えだけで物事をすすめられましたが、小学生にもなると子ども本人の意思を無視することはできません。
       繰り返し書きますが、子どもの成長は嬉しいものです。意志や考えを持つことは大変よいことです。
       ですが、時間のない父母にとって、たとえば「学童保育に通わせることがベスト」と結論を出した後に、子ども本人の理解をとりつけるという作業が発生し、それに多大な労力を必要とする場合があります。
       人によって考え方は違うと思いますが、「子どもの理解を得ずに親がすべてを決定すること」も「親の意見をまげて、すべて子どもの望む通りにすること」も私個人は望ましいとは思いません。親の考えを「子どもの理解を得る」プロセスを省略するべきではないと思いますが、それをやるには時間がかかります。 

       子どもが意志や考えを持つようになったため、放課後の過ごし方を決定する際に、子どもの理解を得るプロセスを経る必要がある。子どもと向かい合う時間が今まで以上に必要になる。この点でも、保育園時代にくらべて小学生の父母がやることば増えると覚悟しておいた方がよいでしょう。 

      c.長期休暇の壁

       今、夏休み真っ最中ですが、次は長期休暇問題です。
       夏休みなどの長期休暇、夏休み期間中の母親はいつもよりもやることが増えます。

       わくわくプラザに通わせているお母さんから聞いたところ、「冬休みや春休みは短いからなんとかなるけど、夏休みはつらい」と。

       ・お昼ごはんにお弁当持参なので、朝早く起きてお弁当を作らねばならない。
       ・夏休みの間、わくわくプラザの開室は遅いので、子どもは毎朝おそく起きる。起こすのに一苦労(子どもが鍵をしめるという不安もある)。
       ・子どもの勉強、宿題をチェックしたり、やらさなければならない。ドリルや絵日記、自由制作など。ここで手を抜くと夏休み後半が地獄に。

       ・せっかくの夏休みだから休日はイベントを企画(子どもの絵日記ネタもつくらないと)
       ・そして、自分が夏休みを取れたら旅行にもつれていってあげたい。

       中野島学童ホールは、長期休暇中はお弁当注文ができますけどね。長期休暇はお弁当持っていかねばならないところも多い様です。
       夏休み期間中の平日は、お弁当作り、遅く起きる子ども対策、夏休みのヘビーな宿題チェック、週末は休日イベント、夏休み中の旅行など、夏休みは普段の日常よりもやることが増えるのです。

      d.父親が作り出す壁

       最後におまけ。
       父親である私には耳の痛い話なのですが、保育園時代には送り迎えなどある程度協力的だった父親が、小学校にあがったとたんに非協力的になっていくケースが多いと聞きます。父親自身が「もう大きくなったから、生活面での育児には手がかからないだろう」と考えてしまいがち。父親の理解が足りず、父親自身が「小1の壁」を助長させると。あるお母さんは「小学校に入り、父親は間違いなく楽になった」と言っていました。

       このTOPICSは父親のための「小1の壁」講座です。父親のみなさん、考えてみましょう。保育園のイベントは父親の参加率が非常に高かった様に思います。基本的にはイベントが週末に開催されることもあり、父母同士も面識がありました。保育園にいっても僕が誰のお父さんか、子どもたちも先生もみんな知ってくれています。でも小学校に父親である私がいっても、私が誰のお父さんか知らない子どもばかり、担任の先生はまだしも他の先生も私が誰のお父さんか知りません。 

       上に書いた様に、小学校は一部のイベントを除いて平日の昼間に行われます。PTAや、もちまわりの役員の会合も、基本的には母親ワールドです。送り迎えという目に見える貢献もなかなか難しい状況ですし、小さな頃より体も強くなって、病気のために父母で交代で休暇を取る機会も減ってきます。このようなことが影響して、引き気味になってしまう父親が多いんだと思います。ここで一気に仕事モード、あるいは休日だけの父親になってしまうのかもしれません。。 

      本日のまとめ

       まだまだ、この他にもあると思いますが、安全対策、小学校のこと、子どもに向かい合うこと、長期休みの対応、ここまで書いてきて「小1の壁」がわかりました。

       やることが爆発的に増えるんです。だけど時短が取れなくなり、父親も協力的でなくなってまったら、母親1人ではそれをやる時間が圧倒的に足りないのです。 

       保育園時代もやることは少なくはありませんでした。そんな中で精一杯時間もやりくりしてきました。
       それが小学校に入ったとたんやることが爆発的に増える一方で、それをやる時間&リソースは逆に減っていく。
       これまでの努力が何だったのかと思えるほど絶望的に巨大な壁がたちはだかる。これが小1の壁なんだと思います。  小1の壁で仕事をやめてしまうお母さんがいるそうです。せっかく保育園を乗り切ったのに。

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         いかがでしたでしょうか、このぐらいで「小1の壁 その②問題詳細編」を終了しましょう。
         ここまで書くとあまりに高い壁ですが、それでもなんとかやっていらっしゃるご家庭は世の中にあります。中野島学童ホールに通わせている父母も、なんとかやっていらっしゃる方ばかりだと思います。ですので、また期間をおいて、「どのようにこの壁を乗り越えていくか」について、参考情報を書きたいと思います。 

         今回は保育園、共働き家庭をベースに書きましたが、幼稚園の方も、自営業の方も、共働きでない方も、それぞれいろいろなお悩みを抱えています。いろいろな悩みがあり、その①に書いた様にそのすべての悩みを解決する様な絶対的な解はないのですが、後日「その③問題解決のための方向性(予定)」を書きたいと思います。 

         それまでの間、来年小学校に入学されるお子様をお持ちのご父母は、ランドセルの準備とあわせて互いに話をされるとよろしいかと思います。

        [注:本記事本文は、2012.8.19に掲載されたものです]